gallery光原処

刺激しあう若き情熱
            平成20年に鳥取市歴史博物館やまびこ館で開催された、鳥取の民藝運動の軌跡を追った展示
           「美の人脈-文化をつなぐ人々」。
            鳥取出身の画家中島菜刀や木工芸家の虎尾雅夫らが取り上げられています。
            その図録の中に、民藝運動の渦中にいた森本木羊子との交流が記された箇所があります。


『菜刀は関西で行われる鳥取民藝の作品展に足を運び、虎尾雅夫の作品を評すこともしばしばだった。何度か会場となった大阪高島屋の美術部にはこの頃後に版画家となる森本木羊子が勤めており、菜刀とは知己だったようである。
虎尾雅夫関係資料には雅夫作の額に納められた木羊子の作品もあり、画家、版画家、民藝作家とジャンルを越えて刺激しあう「造り手」達のつながりが垣間見られる。

ほかにも菜刀は雅夫に送ってもらった作品の賞賛、知人の求めている木工作品のこと、作ってもらいたい電気シェードの形状、はては子供たちが壊してしまった電気スタンドの修理の話など、絵を交えながら認めている。若き「造り手」達は、創作に対する情熱を共有し、惜しみなく援助しあっていたのであろう』



       虎尾雅夫 製作の額に納められた木羊子の作品

wakaki


●中島菜刀 1902(明治35年)〜1955
      鳥取県八頭郡賀茂村出身の画家。


●虎尾雅夫 1900(明治33年)~1973
      鳥取市出身の木工芸家。
 

※資料引用:美の人脈ー文化をつなぐ人々ー(鳥取市歴史博物館)